私の常識が壊れた日

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ん?先輩の言った言葉が何か引っ掛かった。 選択肢が入部するか、入部しないで先輩のファンにお姫様だっこされたことで追いかけ回されるかの2つ……ちょっと待って。 「あの……お姫様だっこって…どういうことですか」 「君は玄関で倒れて、瞬間移動してこのベッドに寝てたと思う?」 にっこり笑って言われると、馬鹿にされてる気持ちが強くなる。確かに瞬間移動して寝るなんて、不可能ですよ。そうなると誰かが運んでくれたことになるけど、今の話とすぐに繋がるわけないじゃないですか。 「今度はムカムカしてるねぇ。顔の筋肉、すごくついてるんだ」 「……それは褒め言葉ですか?貶し言葉ですか?」 「一応、褒め言葉。まぁお姫様だっこさせて貰ったのはあの女達から早く離れたかったってのもあるんだけどね」 「君が頷けば、文化部が君をあの女達からかくまってやれるよ。さぁ、どうする?これくらいどちらが良いか判断できるよね」 もう一度笑って言われると、この時の私には正常な判断は出来なかった。後々になって考えても、この選択肢は1つしかなかったって思うんですけど。 こうして、私は入学早々、文化部という変人の集まりの部活に入れられました。 この日から、私の常識は壊れて行ったんだって思います。
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