私の常識が壊れた日

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ふと目が覚めると真っ白な天井が目に映った。周りをよく見れば、そこは見知らぬ保健室みたい。窓から風が入ってきて気持ちいい。 「目、覚めたの?お嬢さん」 「!!」 突然声をかけられて、驚いて声のした方を見てみると、入り口に寄りかかった男の人がいる。確か玄関前の人だかりの中にいたあの男の人だ。何でここに? 「何が何だか分からないって顔してるね。今、何時だ?」 妙に楽しげに聞いてくるので、壁にかけてある時計に目を移す。長針と短針は11時30分を過ぎたところを指していたので、そう答えると、次は何で学校に来たかなんて行って来る。そりゃ、入学式に……入学式? はっと我に戻る。入学式の受付は9時30分。終わるのは11時頃。じゃあ、今私は何でここにいるの!? 「やっと何となく現状把握出来たね。ころころ表情が変わって面白い」 そうだ。楽しげにしているこの男の人、私はこの男の人と目が合って、鼻血を出すわ、気を失うわで大変だったんだ。この人は一体何なの!?
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