私の常識が壊れた日

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「くるくると表情が変わるね」 そう先輩は笑うと、いきなり自分のネクタイを緩め、胸元を見せるようにボタンを外した。 な、何で!?変態さんなの!?露出狂!? 慌てて自分の顔を腕で覆ってみるけど、頭に焼き付いた肌の白さで顔の火照りが止まらない。鼻の付け根のあたりも痛くなってきた。ヤバイ。鼻血が出そう。 急いでハンカチをポケットから取り出して鼻にあてると、なんとか服を汚すことは避けられた。 ほっと一息つくとクスクス笑う声が聞こえる。むっとして先輩を睨み付けると、企むように彼は笑った。 「おまけに反応も面白い。ねぇ、君文化部に入らない?」 「……文化部って何ですか?普通吹奏楽部とか美術部とかいうんじゃないんですか?」 「そんなむっとしないでよ。文化部は文化部だよ。つまりは行きたい部活がない、けど放課後集まったりして何かしたい奴の部活。校内では変り者がいる部活だなんて言われたりするよ」 「変り者って、私もですか?」 「そうなるかもね。因みに君の選択肢は2つ。文化部に入部するか、入部しないで俺にまとわりついていた女達に今日のお姫様だっこの事で追い回されるか」 どっちがいいか、分かるよねって笑う彼の後ろに私は悪魔の羽を見た。ような気がする。
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