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僕は王子だから
なんでも手にはいるんだ
一夜に煌めく星空も
宝石のできる植物も
もちろん職務も勉強も
しっかりこなす
だって王子だから
『王子、王からの言伝てが』
『まあ怪我などしたら大変ですよ王子』
『王子、王子』
皆が僕を真名では呼ばない
だって王の子息だから
失礼だもの
仕様がないんだ
仕様がないんだ
+++*
「ねえ!ここは何処!!」
見知らなぬ女の子が声を張り上げて聴いてきた
見たことのない衣を纏い、濡れた髪は不思議な闇色
「気づいたらこんな所にいたの!何かのアトラクション?にしては規模が…」
ところどころ変わった訛りのある言葉
濡れた身体にローブをかける
驚いた後に、唇が動く
闇色の瞳で光の笑顔
「ありがとう。あなたのお名前は?」
「―…」
「よろしく…呼び捨てでいい?」
これはこちら側から見た物語。
現れたのは一国の王子を救う、東洋の魔女
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