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「論吉、ちょっといいか?」
「数学のことだな。いいぞ。叩き込んでやろう」
「サンキュー!毎度毎度助かる!」
俺は休み時間の間ずっと、論吉先生の講義を受けた。
なるほど。
いつもながら、論吉先生の話はわかりやすい。
「そうだ。だから、ここでこの公式を使……」
「ヒーローは遅れて登場するんさ~!」
ガラガラと、扉が開いて、ヒーロー――国世がやってきた。
遅い!遅すぎる!
「国世!何やってたんだ!」
「なはは。金曜にさ、俺が万里ねぇの家に行くって言ってたじゃん?」
「あぁ、確かに言ってたな。」
「それでよ、万里ねぇのご飯をご馳走になったわけよ」
「それで?」
「俺ったら、食べすぎて寝ちゃったんよ!それで起きた時間が登校する時間!万里ねぇの家で朝飯食べて、家に戻って、ちょいと遊んでからここに来たんよ!」
「なるほど。国世らしいな」
「てか、ちょいと遊ぶのは余計だろ!?」
「あり?バレちゃいましたか。…って、先生いないよな?俺今すっげぇ爆弾発言しちゃったんだけど……」
「安心しろ。先生はいない。そして改めておはよう、国世」
「おはよう。何にせよ、国世がちゃんと来てよかったよ!」
と言っても、もうすぐ四時間目。
午前最後の授業である。
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