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海鳴市 市街地 結界内
「きゃあ!」
ヴィータのラケーテンハンマーによるダメージでジャケットパージを起こし、なのははかべにしたたか背中を打ちつけた。
そして静かに近寄ってくるヴィータはなのはにとどめを刺すべくグラーフアイゼンを振り上げた。
「悪く思うな」
対するなのははもう既に動けず、ただレイジングハートを弱々しく突きつけることしかできなかった。
(こんなので…終わり……。嫌だ…ユーノ君…クロノ君…フェイトちゃん……)
ここまで考えたとき、グラーフアイゼンが振り下ろされる。思わずぎゅっとまぶたを閉じる。
……しかし、
《Protection High powered》
「なっ!?」
ヴィータの驚きの声を聞き、おそるおそる目を開けるなのは。そこには黄色のトレーナーに黒いTシャツ、黄土色の長ズボンという出で立ちの同い年ほどの少年が朱色の障壁を張り、ヴィータのグラーフアイゼンを受け止めていた。
「あなたは……?」
その問いかけに少年ーーゴールドは振り返る。
「久しぶりだね。民間人の魔導師さん」
「あ…あのときの子?」
驚いているなのは。まさかこんなに強いなんて。しかし、ゴールドからは魔力は露程にも感じない。単にゴールドがジャミングを纏っているだけなの
だけども。
「くっ!ぶち抜けぇぇぇ!」
《Jawohl》
再び噴射するロケット。それが何を意味するか知っていたなのはは叫ぶ。
「危ない!」
しかしゴールドは至ってのんきで
「大丈夫。これは父さん以外にぶち抜かれたことないから」
《当たり前です》
エレメンタルブレードも同じ意味のことを言った。
「ちっ!」
いったん離れるヴィータ。
「なんてかてぇ障壁なんだよ……まさかそれって」
ヴィータの顔が途中から驚愕の顔に変わる。なぜなら、
「かっ飛ばすぜ!相棒!」
《All rilght.Raketen Hammer》
ゴールドの持つ剣の先に炎が集まり吹き出したからだった。
「食らえ!ダウンロード発動!ラケーテンハンマー!!」
そのまま回転しヴィータに襲いかかる。
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