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時空管理局です!今すぐ武器を捨てて投降すれば貴女には弁明の余地が与えられる。今すぐ武装を解除して」
「残念だが元よりそのつもりは無い」
そう言ってレヴァンティンを振るうシグナムと黄色い閃光――フェイトは何合か打ち合い、ぶつかり合うたびに火花が飛び散る。
しかし、だんだんとフェイトが押されていくのが目に見えて分った。少女にも焦りの色が浮かぶ。
『どうするよ?』
ゴールドは念話で右手の中の愛剣に聞いた。
『実戦経験が少ない人なら置いといていいんじゃないですか』
しかしエレメンタルブレードはあっさりと“助ける”という選択肢を捨てて答えた。
『冷てぇな、おい』
はぁ……とゴールドがため息をついたとき、
《Explosion》
「紫電一閃!」
《Defenser》
「くっ!」
シグナムの紫電一閃がフェイトの張った障壁を簡単に破り、フェイトのデバイス――バルディッシュのコアに損傷を与え、フェイトはビルへ吹き飛ぶ。
「フェイトちゃん!」
それを見たなのはが叫ぶ。よく見ると周りには結界が張られている。そこまで見たとき、
「大丈夫ですか?」
突然後ろから声をかけられ、文字通り飛び上がるゴールド。
「な、な、な」
口をぱくぱくさせて二の句か告げられずにいる。
「僕は民間協力者のユーノ・スクライアです。すみません、貴方を巻き込んだりして……」
「なに、好きで巻き込まれたし、立場上見過ごせないからな」
「え?」
ゴールドの言葉を聞いて首を傾げるユーノ。
「君に名乗ってもらったし名乗らないとマナー違反だろうが。俺は時空管理局本局直属遊撃部隊『サーチアイ』隊員、ゴールド・カース空曹長だ」
「へ?」
今度はユーノが口を開ける番だった。
「じゃ、じゃあ君は管理局の魔導師?」
「今そう言っただろ。それから俺のことは呼び捨てでも良いぞ」
「え、あ、うん…じゃあゴールド、よろしくね」
「うん、よろしくな」
とお互いに握手したそのとき、
『ユーノ、私たちで時間を稼ぐから転送魔法をお願い』
フェイトからの念話がユーノに届いた。
『わかった』
そう言って転送の準備を始めるユーノ。
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