呪われし紅の力と結界破壊

2/9
前へ
/54ページ
次へ
時空管理局です!今すぐ武器を捨てて投降すれば貴女には弁明の余地が与えられる。今すぐ武装を解除して」 「残念だが元よりそのつもりは無い」 そう言ってレヴァンティンを振るうシグナムと黄色い閃光――フェイトは何合か打ち合い、ぶつかり合うたびに火花が飛び散る。 しかし、だんだんとフェイトが押されていくのが目に見えて分った。少女にも焦りの色が浮かぶ。 『どうするよ?』 ゴールドは念話で右手の中の愛剣に聞いた。 『実戦経験が少ない人なら置いといていいんじゃないですか』 しかしエレメンタルブレードはあっさりと“助ける”という選択肢を捨てて答えた。 『冷てぇな、おい』 はぁ……とゴールドがため息をついたとき、 《Explosion》 「紫電一閃!」 《Defenser》 「くっ!」 シグナムの紫電一閃がフェイトの張った障壁を簡単に破り、フェイトのデバイス――バルディッシュのコアに損傷を与え、フェイトはビルへ吹き飛ぶ。 「フェイトちゃん!」 それを見たなのはが叫ぶ。よく見ると周りには結界が張られている。そこまで見たとき、 「大丈夫ですか?」 突然後ろから声をかけられ、文字通り飛び上がるゴールド。 「な、な、な」 口をぱくぱくさせて二の句か告げられずにいる。 「僕は民間協力者のユーノ・スクライアです。すみません、貴方を巻き込んだりして……」 「なに、好きで巻き込まれたし、立場上見過ごせないからな」 「え?」 ゴールドの言葉を聞いて首を傾げるユーノ。 「君に名乗ってもらったし名乗らないとマナー違反だろうが。俺は時空管理局本局直属遊撃部隊『サーチアイ』隊員、ゴールド・カース空曹長だ」 「へ?」 今度はユーノが口を開ける番だった。 「じゃ、じゃあ君は管理局の魔導師?」 「今そう言っただろ。それから俺のことは呼び捨てでも良いぞ」 「え、あ、うん…じゃあゴールド、よろしくね」 「うん、よろしくな」 とお互いに握手したそのとき、 『ユーノ、私たちで時間を稼ぐから転送魔法をお願い』 フェイトからの念話がユーノに届いた。 『わかった』 そう言って転送の準備を始めるユーノ。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

273人が本棚に入れています
本棚に追加