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それを見てゴールドはエレメンタルブレードに再び念話を送る。
『結界の固さは?』
『かなり固いですねー。さすがベルカ式です、マスターの破壊砲撃や究極砲、呪砲じゃ無いと難しいです』
『破壊砲撃は分るが究極砲撃とか呪砲はさすがに強すぎるぞ。第一、呪砲は封印しているだろ』
強すぎる力で今の自分には使いこなせないとシルバーに厳重に封印をかけてもらっているので呪砲は発動できない。
『じゃあ破壊砲撃でも撃ちます?』
『やってみっか……』「なぁ、ユーノ」
「ん?」
「俺が撃ち抜こうか」
ユーノに先ほどの提案を伝える。ユーノはうなずき、頼んだ。
「頼めるかな?」
「任せとけ」
そう返事をしてゴールドはエレメンタルブレードを空に向け詠唱しようとしたときだった。
『フェイトちゃん、ユーノ君、アルフさん、それから名前分らないけどなんとかさん、私が結界を壊すからタイミングを合わせて転送を!』
なのはからの念話、どうやらデカいのを一発撃って結界を壊すらしい。だが見た所既にヤバい状況でさらに負担をかかる砲撃を撃とうとするのは無理がある。すぐさま念話で返す。
『えっと、なのはって言ったっけ。それは俺がするからそこでじっとしていてくれないか?』
『でも、私がみんなを助けなくちゃ!』
それを聞いてなのはの方を見ると既に準備をしていた。ゴールドは説得を諦め、見守ることを選んだ。
『なのは!』
『大丈夫なのかい?』
ユーノやアルフもそれを不安そうに見ている。
『大丈夫、スターライトブレイカーで撃ち抜くから!』「レイジングハート!カウントを!」
《All right.Ⅸ Ⅷ Ⅶ Ⅵ Ⅴ Ⅳ Ⅲ…Ⅲ…Ⅲ…Ⅲ…》
やはりダメージが大きいのだろう、レイジングハートは途中でカウントを繰り返した。
「レイジングハート、大丈夫?」
なのはは心配そうにレイジングハートを見る。レイジングハートは暫くノイズを出していたがそれを押さえて、
《No problem》
と返事をして再びカウントを始める。
《Count Ⅲ Ⅱ Ⅰ》
なのははレイジングハートを振り上げ、スターライトブレイカーを撃とうとしたとき、体に悪寒を感じる。
その胸からは手が突き出ていた。
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