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「食らえ!ボルカニックハンマー!」
《Volcanic Hammer》
紫電一閃の切れ味とラケーテンハンマーの突貫力と推進力を兼ね備えた剣がヴィータを襲う。ヴィータはそれをラケーテンフォルムにしたグラーフアイゼンで対抗する。
「ラケーテンハンマー!」
本物の技とコピーを発展させた技。それぞれがぶつかり合い、火花を散らす。
「君なんかにかまってる暇はないんだけど、なっ!!」
《Charge magic!》
なのはの方を見ればスターライトブレイカーは発射できなかったらしく、その場に倒れていた。そして残された魔力はまだ霧散していない。
それをブラッディブレードにチャージする。炎がさらに激しく燃え上がり、ジェットも激しく噴射する。これがブラッディブレードのカートリッジシステムの代わりとなる強化機構、マジックチャージシステム。自身の魔力あるいは周囲の魔力を吸収することで威力を強化するこの機構が現在ついているのは2つのみ。
自分のブラッディブレード、そしてシルバーのもう一つ一族に伝わる剣。これもシルバーにより封印されている。つまり世間には知られていない。そんな新たに現れたシステムにヴィータは驚く。
「お前一体何者だ!?」
見ればグラーフアイゼンにわずかながらヒビが入って来ている。このままぶつかり合っていたら間違いなく壊れる。そうすれば今後のことに支障が出る。ヴィータはいったん離れることを決める。
「ちっ!」
魔法を中断、即座に離れる。同時にゴールドも止める。
「今だ!結界をする為に最後の封印を解く!」
《ファイアリングロック最終セキュリティまで解除。後は相棒が言えば終わりだ!》
相棒の声にゴールドは唱える。使い方を間違えればここにいる全員に死が及びかねない魔法を放つ為にそれを封印している鎖を解き放つ言葉を。
「我はすべてを呪う。生きとし生けるものすべてを呪う。そのために一生癒えることの無い呪いをこの手に。――呪砲、封印解除」
足下に展開される魔法陣、さらに紅く輝く剣。それはかつて全世界の災厄と呼ばれた最凶の魔砲が再び現世に顕現する前兆だった。
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