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「!?あれは!や……」
「いけないわ!」
クロノが驚いて声をあげる。その続きはリンディの声にかき消される。
「急いで向こうに医療班を飛ばして」
「中継転送ポート開きます!」
「それから、本局内の医療施設の手配を!」
「了解です!」
迅速に指示を出したリンディにほかの乗組員からロックが外れたと報告を受けた。
「あぁ、もう!」
どんっ、とコンソールをたたくエイミィ。そしてさっきとは逆にすまなさそうな声をだす。
「ごめん、クロノ君。しくじった……」
だがクロノはどこか上の空でモニターを凝視していた。エイミィは顔を上げて、
「クロノ君?」
クロノの顔はいつになく険しかった。
「第一級捜索指定遺失物ロストロギア、『闇の書』……」
そう言ったクロノの手は固く握りしめられている。
「クロノ君、知ってるの?」
「ああ…知ってる。少しばかり嫌な因縁があるんだ……」
そう言ってクロノはなおもモニターを見続けていた。
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