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12月2日AM2:23海鳴市オフィス街
「うわぁぁぁ」
次々と倒れていく魔導師たちその先に立つのは、ハンマーを引っ提げた少女。
「雑魚いな。こんなんじゃたいした足しにはならないだろうけど」
そういって少女はもう片手に持っていた本を開く。本は勝手に空中に浮かび怪しげな光を発していた。
「ううぁ……」
ひときわ輝き始めたとき、2人の魔導師から小さな玉が現れた。
「お前らの魔力、闇の書の餌だ」
さらに輝きを増した本は小さな玉を吸収していった。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
誰もいないオフィス街に魔導師の叫び声が響き渡ったーーー
その日の夕方
図書館の近くの歩道を歩く人影。
一人の少女が車いすを押してもらって帰路についた所だった。
「はやてちゃん、寒くないですか?」
「うん、平気。シャマルも寒ない?」
車いすに座っている少女ーーはやてが後ろから車いすを押してもらっている女性ーーシャマルに聞かれ、答えた。
「私は全然」
そして駐車場に出たとき、はやてたちを待っている人影があった。
「シグナム!」
はやてが桃色の髪の女性ーーシグナムに声をかけた。
「はい」
シグナムははやての隣に並んで歩き始めた。
「晩ご飯、シグナムとシャマルは何食べたい?」
暫く進んで、はやてが口を開いた。
「ああそうですね、悩みます」
「スーパーで材料を見ながら考えましょうか」
「ん、そやね。……そういえばヴィータはきょうもどこかお出かけ?」
うなずいた後ふと思い出したようにはやては2人に聞いた。
「あ~、えっと、そうですね・・・」
「外で遊び歩いているようですがザフィーラもついていますのであまり心配はいりませんよ」
シャマルが答えに詰まったのを見てシグナムが助け舟を出す。
「そうか……」
「でも、少し距離が離れていても私たちはずっとあなたのそばにいますよ」
「はい、我らはいつもあなたのそばに」
そんな2人にはやては微笑んだ、
「ありがとう」
と。
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