未来への一歩

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離婚から1ヶ月。 時間が癒してくれたのか、前ほど泣くことは少なくなった。 友達も心配して来てくれるが、元々、人に弱みを曝け出すのが苦手な綾は、もう全てを忘れたかのように つとめて明るく振舞う事しか出来なかった。 それでも一人になれば、裏切られた悲しみや苛立ち 後悔や自己嫌悪が身体を支配して 眠れずに朝を迎える日も少なくはなかった。 (このままじゃダメ。 前に進まないと…) そう自分に言い聞かせるけれど、夜になれば、また眠れずに泣いてしまう。 (なんでこんなに弱いんだろう) 彼はすっかり前をみて 新しい生活をはじめているのだろう。 自分だけが世間から取り残されたような気がして 幸せそうな家族や 小さな子供を見ても 妬んでしまっている自分が情けなかった。
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