未来への一歩

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30歳で、たいしたキャリアも資格もない綾は、離婚から3ヶ月経った今も、就職できずにいた。 短期の派遣の仕事と、友達がやっているスナックの手伝い。 なんとか暮らしていけたけれど、せっかく一人になったんだから、新しいことにチャレンジしてみよう、なんて言うワクワクした気持ちは、どこかに忘れてきてしまっていた。 誰にでも出来る仕事をこなして、お酒をついで笑って、恋をする気にもなれずに、ただ毎日が過ぎていく。 友達からの結婚の報告や、新しく生まれた命の写真を受け取るたびに このまま自分は、恋愛も出来ず、子供も産めずに一生を終えるのかな…と馬鹿みたいな事を考えたりもした。 そんな自分が大嫌いなのに、変われない自分を、別れた彼のせいにして また自己嫌悪に陥る。 こんなんじゃ、幸せになれる訳ないんだって わかっているのに。
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