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もォいつだったかなンて覚えてねェ。
高校入ってすぐって事ぐれェしか。
でも。あの日の事ははっきり覚えてる。
その日も、数日前にしたケンカの事で先公に説教くらって。
気分が悪かったから授業サボって。
屋上にいたら、いつの間にか寝てたンだ。
起きたらもォ休み時間だったから、購買行ってパン買って。
もっかい屋上に戻ったンだ。
したら、そォ。
お前がいたンだ。
フェンスに寄りかかってたまに空を眺めながら弁当を食ってた、お前が。
すげぇ愛おしそォに空を眺めてっから。
思わず、見とれた。
それで、俺に気付いたお前は、こう言ったンだ。
悲しそうに微笑って。
「…悲しそうな、目をしてるのね。」
…意味わかンなかった。だってよ。悲しそうなのはお前じゃンか。
なんで初めて見たヤツにそんな事言われなきゃなンねェんだよ。
…同時に怖くなった。
俺ン中を、見透かされたような気がして。
ボケっとしたよォな面してンのに。
俺を、理解したよォに言うから。
なァ、なんでお前。
そんな事言ったンだ?
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