113人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ヴァルツさん、この状況を説明して頂きたいのだが」
私が説明を頼んだ人物は溜め息をつきながら答えた。
「…そいつらは野犬だが、攻撃はしてこない。だから警戒を解け。
森を散策していたら、さっきコイツらが来てな。あまりに人懐っこいもんだから、ポケットに入れてた食料を分けてやったんだ。
そうしたら、この有り様だ」
なるほど。
一時の気の迷いが産み出した産物ですね、わかります。
「それで、どうしたものかと困ってるんだ」
「へぇ…」
私は野犬たちをまじまじと観察してみた。
野犬たちは、目を輝かせ、尻尾を振りながら此方を見ている。
最初のコメントを投稿しよう!