第一章

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 「それで、お前が6年のときに遭った事故の話に戻るけど、ほんとよく生きてたよなぁ」 「確か骨折どころじゃ済まなかったって話だったのに、今じゃ傷跡一つ残ってねぇんだからびっくりしたぜ」 「マジで今の医療技術す――」  またバスが一台扉を閉めて発車しようとしていた。  六角ボルトの付いた大きなホイールが回転する。大型車特有の野太いエンジン音……近づく銀色のバンパーとフロントマスク、それに付いた架空の動物を模したエンブレム……。  ――!!!! !?  「お、おい大丈夫か?」  地面。気がつくと俺はその場でさっき会った奴の腕に抑えられ、転倒しそうになったところを助けらていた。
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