第一章

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 「――そして脇道から出てきて右折中のお前ん家の車に、矢印信号に気づかなかった大型トラックが突っ込んだ、らしいな」  裕二はそこまで話すと一息吐いて、「でもこうやって五体満足で生きて帰ってこれたんだ、ホント良かったな」と俺の肩を笑顔でぽんっと叩いてくれた。  「誰だ? こんな所で……」  茂みの向こうの通りから一人の警官らしき人影が近づいてきた。  「やべ! ここは一旦ばらばらに逃げっぞ!」 そう言い捨てると裕二は一目散に立ち去った。 その後少しの間を空けて遠くから50ccのスクーターのエンジン音が聞こえたところから察するに、最初言ってたお宝とはそれのことだったのだろう。
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