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話を分かりやすくする為、簡単な例え話を上げてみます。
ビーカーに石鹸水を入れて、そこにストローを挿して息を吹き込んでみます。
石鹸水は空気が入るとブクブクと泡を立てますよね?
その泡はストローを吹いた者の意思で生まれました。
つまり、ただ現象としてそこに在るだけの“結果”であると言えます。
泡の1つ1つは物理的な法則に従って然るべき場所に然るべき形で存在しているだけで、泡が消えて無くなった場所には、新しく生まれた代わりの泡が新たに入り込みます。
役割に“個性的な特徴の差”が無いと考えられるので、アイデンティティーは確立されません。
しかしながら、泡の形や大きさは良く見れば1つ1つ違いますし、ビーカーの上にあるものと下にあるものとでは平均的な寿命も違います。
更に言えば、同じ空間と時間に複数の物質は同時に存在出来ない為、1つ1つの泡は唯一無二の存在と考えられます。
そこから泡には“個性的な特徴の差”があると考えられるので、他者との見分けがつきます。
従って泡の1つ1つにはアイデンティティーが確立されます。
ここで、ビーカーを太古の海、泡を生命として考えると、意思を持っているのはビーカーに息を吹き込んだ者なのか、それとも泡の1つ1つなのかという所に行き着きます。
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