前書

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 人間を含め動物には意識があります。  動物は常に自らの判断で行動を選択しています。 しかし、欲求がなければ行動の動機や目的遂行の為の思考も生まれません。  欲求の正体が本能から生まれたものなら、その本能が出来るきっかけを作った“ビーカーに息を吹き込んだ者”は全ての生命の黒幕なのでしょうか。 そして、全ては“彼(※)”の意思の中にあるのでしょうか。 (※宗教的に言えば“神”、心理学的に言えば“普遍的無意識”と言った所でしょうか。)  それとも、環境による適応や進化を経てゆっくりと変異し続ける遺伝子が、その個体にある本能を支配し司るのでしょうか。  (残念ながら、筆者は自分の若さを口実に、その結論を先送りにしています。)  皆別々に意思を持って活動するのに、行動には法則性があり統計が録れるのです。  粗末な例でしたが、言わんとする事が伝われば本望です。  私個人の感覚では、殆どの人間は無意識に前ページの2つの考え方を使い分けたり混ぜ合わせたりして、自らの存在を都合良く曖昧に定義しようとしているように感じます。  長くなりましたが、『前書』はここまでにさせていただきます。  本書は物語が中心の小説ですが、そのようなものをテーマに据えて書いていきたいと思います。  夢も現実も壊します(笑)。  
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