男心と秋の空

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男心なんてころころ変わるものよ…みんなそう 私は気分転換に冬馬にもらったエステのチケットを使おうと予約した 仕事帰りに六本木のお店に行ってみた 受け付けで名前を書いてると『市原さん!』と声をかけられた 冬馬のお母さん… 『おば様、こんな高価なチケットありがとうございます』 『いいのよ!お詫びよ。さあ入ってちょうだい』 なんとお母さん自身のエステが受けられる!私は嬉しくなった 花びらの浮かぶ湯舟で身体を温めて、私はエステの台に寝転んだ ゴッドハンドだ。気持ちよくてとろけそうだ… 『あら背中どうしたの?』 『昔DVの彼氏いて機嫌悪くなると背中にタバコ押し当てられてたんですよ…一年殴る蹴るで肋骨折れて、病院通ってた時中村君に見つかって(笑)間入って別れさせてもらったんです…命の恩人です、私にしたら』 『あの子も役にたってるのね(笑)』 『うちの営業のNo.1ですからね…同期としては鼻が高いです(笑)』 『あなたも色んな事あったのよね…』 『ホントに…いつか笑い話しになるようにしないと…もう結婚とか懲り懲りですよ、恋愛もです』 『あら!それはダメよ。老化しちゃうわよ。恋愛だけでもしなさい』 お母さんの手は優しく私の身体を包みこみ、天国にいるような気持ちになった
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