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ある年の十五夜
毎年この日は黄色い満月が顔をのぞかせるはずだ。
だが、今年は変わっている…
血のように紅い満月が顔を出しているのだ
そんな事関係なしと言わんばかりに村人達はお団子やすすきを用意してお月見をしている。
たった一人を除いては…
「紅い月…」
紅い満月を見ながら青年は呟く
青年の名前は十夜(とおや)
名字が無いのはわからないからだ。
全ては8年前の十五夜のある場所から始まる
古いお寺で少年が保護された。
その周りは残虐なまでに血みどろ
少年も多少の傷を受け意識が朦朧としていた。
寺の近くにある村で少年は目を覚ますが、記憶を失っていた
それが十夜だ。
「……っ!」
月を見ていた十夜がいきなりの頭痛で頭をおさえる。
普通の頭痛とは全く違う痛み
何かが頭の中に流れ込んでくる…!
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