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「ちょっと、大丈夫?」
「あ、ああ…少し頭がついて来なかっただけだ。もう理解した」
世の中いるところにはいるって事をな。
「そう。じゃあ行くわよ」
その掛け声によって松本さんが城…家の扉を開けた。
「私の部屋にいるから。後で適当に何か出して頂戴」
家に入るとシャナ娘は松本さんにそう告げて近くにあった階段を上りだした。
「おい、待ってくれぇ!」
必死でシャナ娘を追う。潜在的な野生の勘でわかる。迷ったら最期だ!!
シャナ娘と共に歩き続けること数分。
やっと部屋の前までやってきた。
因みにここは城の最上部らしい。つまりはあのてっぺんのとんがった部分ってことだ。
ていうか後ろにエレベーターあるじゃん!なぜ階段を登らせた…?
そしていざ部屋に入ろうとシャナ娘が扉に手をかけたのだが…。
「開かない…」
「何?」
「開かないのよ。鍵がかかってて…まさか!」
そう言って何やら叫びながら扉を叩き始めた。
「ちょっと先生!いるんでしょ!?開けなさい!!」
先生?部屋にか?家庭教師か何かか?
すると、部屋の中から小さく声が聞こえてきた。
「合い言葉。ぬるぽ」
それに続いてシャナ娘が応える。
「がっ」
…………開いた。
「よお~遅かったなおじょ…おお!?男が…男がいる…」
「シ、シャナ娘…先生って、これ?」
すると部屋から出て来た子供が俺に飛びかかってきた。
「てめぇ、これとは失礼じゃねぇか?仮にも先生だぞ?去勢してやろうか?」
ひいぃ!
「ちょっとやめなさいって!内村、この子、私の家庭教師なのよ」
俺からガキを引き離すとシャナ娘が言った。
「家庭教師って…まじかよ。お前、名前は?」
「てめぇから名乗れカス」
「……内村陽介。お前は?」
また飛びかかられてはたまらないので仕方なく名乗ってやる。
くやしいのう…くやしいのう…。
「チッ、仕方ねぇ、名乗ってやるよ。アタシはドモホルンリンクル宮本・パ・トゥーリオット・ミサイ・ル・ブラン・ドラ・ヴァリエールだ」
死ねwwwwwwww
「おいシャナ娘…」
「残念ながらほんとなのよ…」
シャナ娘が手を額に当て、溜め息混じりに言う。
「…とりあえず聞く。君、出身どこ?」
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