バカと金持ちとラノベ

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部屋中に鳴り響く目覚ましの音。今日も猪木が俺を起こしてくれたようだ。 「…ふぁ…朝か…」 目覚ましを止め、ベッドから降りる…前にやることがあるな。 「ったく、世話が焼ける」 俺はベッド脇の窓に手をかけ、スライドさせる。そしてそのまま手を伸ばし隣の家の窓にも手をかけ、スライド。 鍵はかかっておらず、独特の音を発して窓が開いた。 さらに身を乗り出し、ルパンもびっくりの見事な手際で隣の家に侵入する。 すぐ目に入るのはベッド。結構高級なやつだ。そしてそこに横たわる美少女。 「おーい、起きろ月姉。朝だぞー遅刻するぞー犯すぞー」 「んー、うっさい!陽介!なんなのよ朝から?」 「いや、朝だから起こしに来たんだけど…」 「ん………ああ。ん?」 今何を理解して何を疑問に思ったんだろう…? そんな寝起きでちょっと意味わからなくなっているのは、俺の幼なじみの三嶋月音だ。 俺?俺は内村陽介。長いようで短すぎる春休みが終わり、今日から高校一年生だ。 そんで、月姉とは幼稚園に入る前からずっとお隣さんなんだが、こう見えて成績優秀、運動神経バツグン、その上かなりの美人と、まさに才色兼備なんだな。 まあ、俺なんて幼なじみでも無い限り一生話す事なんてないだろう完璧さんさ。 あ、ちなみに年は俺より一つ上。だから月姉って呼んでるわけ。 「…あれ?朝じゃないの」 「だからそう言ってるじゃないか…」 「なんだ、なら早く言いなさいよ!」 「…もういいです」 全くこの人は…起こしに来いっていうから来てあげてるのに、毎日こんな調子で、精神的に持たないよ…。
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