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「どうなのよ…」
「いやぁ、やっぱそういうのは知らない方がいいんじゃないですか?」
「はぁ?意味わかんない。あんた、まさか変な事とかしてないでしょうね?」
月姉に胸ぐらを掴まれて壁際に追いやられてしまった。
た、助けろ朝原…っていねぇし!
逃げやがった…。
「月姉、ちょっと落ち着いて…」
「誰のせいだと思ってるのよ?」
それは…あの時、アニメ改変期で明らかに原作よりクオリティの低いアニメばかり始まったから…つい奇行に走っちゃったんだ!
まあこんな事言っても許してくれないよな…。
どんどん掴む力が強くなってるし…このまま落ちるのか…。
と思っていたら…
「月音!やっと見つけた…何してるの?」
誰だこの人?
綺麗な人…月姉の知り合いかな?
「柚葉、もしかしてもう時間?」
突然の来訪者に言いながら俺の胸ぐらを離す月姉。
柚葉さんって言うのか…うん、この学校入って良かったかも。
「とっくに過ぎてるわよ、急いで!…もしかしてその子が陽介君?」
すると柚葉さんは俺の方に近付いてきて、覗き込むように顔を寄せてきた。
「あ、あの…何でしょう?」
いくら何でも近くないか?何、俺なんかしたっけ?
「ちょっと柚葉!やめなさいって!」
すかさず引き離そうとする月姉の手を華麗によけ、余裕の笑みを浮かべる柚葉さん。
「おっと、ごめんごめん。ま、よくわかったし、これ以上遅れるとさすがに怒られるわよ。ああ、陽介君、私は柚葉、木乃坂柚葉よ。君も早く行かないと、入学式は始まってるわよ」
「え?…えぇ!?」
ヤバい、確かに周りに誰もいない!時間も過ぎてる。
初日から遅刻かよ!
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