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本当にこの男は神なのだろうか。
デーリッヒが考えあぐねていると、クロノスは小さく笑い、自分も椅子に腰かけた。
「実はね、人間界に私の娘がいるんだ。君に娘の事を影から見守ってほしい」
娘と言うのなら、その女も神だろうか。
デーリッヒは腕を組み、しばらく考えこんだ。
しかし、デーリッヒは暇が嫌いな質だ。すぐに立ち上がり、クロノスに承諾の返事をした。
「ありがとう。一応、報告してくれる男はいるんだけど、そいつは中々信用できないんだよね」
さあ、こっちにおいでとクロノスはデーリッヒを手招きする。
そしてデーリッヒの頭を掴んだ。
とたんにデーリッヒの頭に情報が流れてきた。
どこにいるか。娘は何者か。
「ナシェル・ヴァル・マルヴァナ」
「そう。それが私の娘の名前だよ。顔もわかったね?」
「うん」
ナシェル・ヴァル・マルヴァナ。
彼女はクロノスの養子だ。そして人々から忌み嫌われる存在。
ある程度状況を把握したデーリッヒは家を飛び出した。
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