〇、温かさを知らない

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  どうやって神界から人間界へ行くのかも情報として与えられた。 デーリッヒは暇が嫌いだ。 退屈しなければ何だってする。 しかし、あの魂の河では退屈しなかった。 いつも時間になるとやってくるクロノスのお陰なのか、近くで小言を囁く他の魂達のお陰なのかは定かではないが、あの河も存外に良かったのだ。 「ナシェル・ヴァル・マルヴァナ」 もう一度名前をデーリッヒは呟いた。 退屈しない人物である事を期待し、彼女に会うべく向かった。      
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