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「お前はホントにアホやなぁ」
勝は裕の耳元でそう言う。
「はっ?何で俺がアホなんだよ!」
「空気を読まない……というか鈍感すぎんのが」
「普通あんだけの言葉じゃ、何言いたいかわかんねえよ!」
勝はその言葉に軽くため息をついた。
「お前の鈍感はホント筋金入りやなぁ」
「はいはい」
もう面倒になったのか裕の反応は薄い。
戦場の戦いから一転――
その一日は非日常的だったことは言うまでもない。事が起こり、事を鎮めたこの一時の余暇は、もしかしたら嘘かもしれない。だが、これから起こることを知らない者はその蒼空を見上げていた。
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