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普通はどん引きする言葉だが、今は笑える。そう思い裕は笑顔を浮かべた。
「さてと……そろそろ収集がかかるから先に行ってるぞ國館三尉殿」
恭しく勇李は敬礼をして足早にその場から去っていく。一人になった裕は窓の外を見た。先ほどまでの雨が嘘のように、雲の切れ目から光が綺麗に差し込む。
裕は勇李のおかげで何か変われる気がした。それは気のせいではなく……確実に意識できることである。
「俺もいくか……」
先ほどから館内に響く収集命令の放送を聞きながら、勇李が走った道をゆっくりと歩み出した。
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