浮き雲

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お世辞にも広いとはいえない大ホールに基地内の隊員約300名が集められた。議題はもちろん本国のことである。 「コラァ!黙らんかぁ!」 的山はいつものように、威圧感を放ってホールのざわめきを打ち消す。そして、咳払いをしながら次の言葉を紡ぎ出した。 「例のことから3日経つが……向こうから電報が届いた」 ホール内を緊張が支配する。 「今から読み上げる。“私は次期日本国の総理大臣青葉陽一である。貴公らおよび貴国とはこれからも友好関係を築きたい。もし、我が国に刃向かおうとするならば武力を持って討伐しよう”」
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