春暁

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殺風景なそのコンクリートの荒野には敵兵一人たりとも見えない。 「俺も知らん!ただ油断はするな」 『へいへいわかりやしたよ』 そう言って無線を切った。 油断って言っても敵兵がおらへんもんなぁ。 勝はそう思い先頭部隊を見る。異常もなくどんどん前進んでいく。 次の瞬間であった―― 先行している部隊の指揮を任された、二尉の機体が激しい爆発音とともに粉々になった。 『……!全軍後退!』 後ろの部隊であった裕は即座に命令を下す。
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