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昨日から一夜明けた朝――
裕はいつも隣のベッドでいびきをかいて寝ているはずの勝を見た。だが、そこには誰もいない。
昨日の戦いの後、勝はすぐに病院に搬送された。奇跡的に一命は取り留めたものの意識は未だに回復してない。だが、そんなことは関係なかった。裕は全く別のことで勝を思っていたのである。
――昨夜
「先生!勝はどうなんですか!」
裕は軍医であろうその男の襟を掴んで言った。手術中という点灯ランプが消えてから、裕の不安は最高潮に達していたのである。
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