陽、没する

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勝は目を凝らしてその顔を見ようとする。 「あんたは!……小学校の時の俺の親友、田中君の親戚か!」 「誰や!!」 すかさず男から激しいツッコミが入った。 「じゃあ誰や?」 「俺はお前の……」 勝は男が言葉をためらっているように見える。だが、一つの確信はあった。 「あんた俺の親父やろ?」 勝は自分の生まれる前に死んだ父親を想像したのだ。男は黙りこみ頷く。 「あぁ……そうや。俺はお前の親父、谷山 鋼一朗(たにやま こういちろう)や」
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