足音

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気まずい……。 裕はそう思った。普段から交流が少ない訳ではないが二人だけだと流石に気まずい空気ができている。 ともかく会話しないと。 そう思い口を開く。 「遅れてスミマセンでした。」 対する琴美は特に怒る様子もなく 「気にしなくていいわよ。こんなにみんな遅刻してるんじゃ怒ってもしょうがないしね」 と言った。 言葉にトゲはないが、やはり顔を見ることができない。 裕は少し琴美の方を見た。長い黒髪に整った顔立ち、多分この顔を見て芸能人かモデルと勘違いする人もいるであろう。
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