足音

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「なんですって!」 完璧に口論は激化した。男性陣はそれを怯えながら見ている。 「だいたい、あなたがTPOを考えないからこうなったのよ!」 葵は反論する。 「あんたは堅すぎんのよ!そうやって、ルールに縛られているから老けて見えるの!」 「何ですって!!」 もう論点ズレてない? 裕は心のなかでツッコむが、もしこれが声に出ていたら殺されるだろうと思い、心にだけ残した。 「埒があかねぇよな」 勝が小さな声でしゃべりかけてきた。 「また誰か逝くか?」 「俺はまだ逝きたくねぇよ」 冗談みたいな会話だが、この空気だと冗談にならない。
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