廃れた世

3/6
前へ
/494ページ
次へ
アジアを中心に発展しているこの時代は何よりも、テロリズムの塊ができやすかった。 だからこそ、自分たちが鎮圧しているのだろう……。 コクピットで操縦桿を握りながら少女は考える。 『神崎二尉、聞いていますか?』 耳につけたインカムから神崎二尉と言われたその少女―― 神崎 葵(かんざき あおい)二等陸尉は応答する。 「何かあったの?國館陸曹」 インカムの先―― 國館 裕(くにたち ひろむ)陸曹長は困ったように言った。 『機影が2つ。多分、旧ブロードウェイ通りを通っています。どうします?』 「どうするって……。」 葵は愉快な笑みを浮かべ 「仕掛けるに決まってるでしょ!」 と言った。
/494ページ

最初のコメントを投稿しよう!

269人が本棚に入れています
本棚に追加