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拓魅は、潤と別れ、玄関のドアを開け、靴を脱ぎ、ただいまも言わず二階の自分の部屋に向かった。
階段を上る途中に考える。
『あれ?あれって?』
呼び止めた時の潤の顔が、少し心配そうに曇って見えた拓魅は、あれについて真剣に考え直す。
『あれ……。あっ!あれか!!』
拓魅は、思いついた。
あれとは、一週間前に潤から借りたCDの事か。
そういえば借りた日から、明日返す、明日返すって、言い続けてたしな。
ここ数日忘れていたが、潤のおかげで思い出した。
疑問が解けてなによりだ。
確かに、あの世で、返し忘れに気付いても遅いしな。
ちょうどよかった。
そう思い、自分の部屋に入ると、やはり鞄を投げ捨て、ベッドに横になった。
『今日はいろいろあったなぁ。』
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