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すっかり、日は落ち、薄暗い闇が広がっていた。
奇妙なほどしんとしている。
拓魅は、そのまま電気も付けずベッドに横になった。
ベッドの中に丸くなると、目を閉じた。
暗くて、何も見えない。
静かで何も聞こえない。
『死んだらこんな感じなのか?嫌だ!こんなのは絶対嫌だ!ずっとずっと、いつも通りの日々を送っていたい。退屈でも、つまらなくてもいいから、今までとなんら変わりのない生活を過ごしたい!せっかく修学旅行の班も由紀ちゃんと一緒になったんだ。由紀ちゃんも俺の事が好きなら、今後付き合って楽しい事だって、たくさん待ってるはず。クラスの友達とも、今まで以上に楽しめるはずなんだ。お母さんの手料理だってお腹いっぱい食べれるんだ。嫌だ!死にたくない!潤とだって…。潤?』
今日、帰りがけに潤と話していたクジ運の事を思い出す。
『潤のクジ運の悪さは、本当に運命の乱れの影響だとしか、説明のつかない程の悪さだ。あれがもし、その影響だとしたら、潤だけでなく、自分になんらかの影響があるはずだ。自分に影響したこと…?』
そう考えた瞬間、右足がズキッと痛む。
『そうか、これか。』
拓魅は、自分への影響に気付いた。
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