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しかし、目の前にヘリが着地する様子に気を盗られてすぐに消え失せていた。
着地したヘリはプロペラを回し続けていたが、扉が開いて機内から一人のスーツを着たがっしりした男と軍服を着た男が二人出てきた。
「罪人ショーン・クローク、元麻薬買人です」
スーツの男に一人の刑務官が書類を手渡して名前を伝えた。
「…協力感謝します…」受け取った書類を強い風力の中でめくり、目を通し終えると顔をあげて、軍服の二人に命令して、年配の刑務長官に手を差し出して握手を交わした。
「宜しくお願いします…」
刑務官達はショーンの身柄を軍服二人に渡した。実はこの男達は刑務長官が雇った偽物だが、周りからは疑われないように制服まで用意していた。
「ココともおさらばだな…」
ショーンはあっという間にヘリに乗せられて、上空へと昇って行った。
上空に飛びだったヘリの中でショーンは自由を手に入れて一安心した。
「いやあ…助かったぜ!20年もあんな所に入るなんて冗談じゃない」
上空からの景色を見ていたショーンは誰の助けか分からなかった。
自分には様々な繋がりの組織が関与している為に命を狙う者たちも居るくらいだ。
「悪いがお前には砂漠の砂に埋もれて貰う事になった」
ショーンに独りの男が声を掛けて助けにではなく、殺害にしたのだと告げた。
「テメェ等誰の差し金で来やがった!俺はタダで殺されねえからなっ」
驚いた表情をしたショーンだが、期待はしていなかった。気が付けば男が拳銃を自分に向けていた。それを奪い取ろうと襲い掛かったが手錠の掛かったままの両手が動きにくい為に男に押さえられてしまった。
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