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女の子は老人の家の外で、老婆の家に行くための準備をしていました。
老婆にあげるお肉を持って、他にも水やお花、小さなパンを持っていくことにしました。
準備を終えて出掛けようとしたとき、ちょうど老人が家から出てきました。
「○○○や」
老人は女の子の名前を呼びました。
だけどなんと呼ばれたかは覚えていません。
その名前が嫌いだったような気がします。
「あの二人が言っていたように狼が出るから、決して森を通ってはいけないよ」
「わかっているわ、お爺さん」
女の子は元気よく返事をしました。
「気を付けていくんだよ、かわいい〇〇〇」
二人は軽い抱擁をして、手を振りながら別れました。
女の子を見送った老人は家の中に戻ります。
戻るときお爺さんの顔は唇の端を吊り上げて笑っていました。
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