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女の子は老人に言われた通りに森を迂回して行くことにしました。
本当は森を通っていった方が老婆の家は近いのですが、老人を悲しませたくはなかったのです。
今女の子がいるのは森のすぐ横に広がる山間。
標高の低い、山というよりは丘に近いそこを慎重に進んでいました。
しばらく歩くと山と森の端が接するところが見えてきました。
間には小川が流れ、山と森を分け隔てています。
女の子はこの小川で一休みすることにしました。
持ってきた小さなパンをゆっくり頬張ると笑みがこぼれました。
両手を添えてパンを食べ終えるとどこからか視線を感じてふと顔を上げました。
すると川の対岸、森に少し入った場所から何かが女の子を見つめていました。
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