孤独の寂しさ

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「そんなことしてて楽しいか?」 なるべく感情を顔に出さないように言った。 「はぁ?何言ってんの、お前」 「もうやめろよ」 「意味わかんねぇ。なんでやめなきゃいけねーの?やめる理由ねーし」 コイツの態度にイライラしてくる。 まるで自分は悪くない、そういった態度。 「やる理由もない。だからもうやめろ」 そう言って、俺は三枝の教科書を取り上げ、彼女の机の中にしまってやった。 二人の男子生徒は「アイツ意味わかんねぇ」「頭おかしいんじゃねーの」とか言いながら自分の席に戻っていった。 そこにタイミングを見計らったかのように三枝が教室へ戻ってきた。 無事借りられたようで、手にはちゃんと教科書を持っていた。 「借りて来ましたヨ」 「あぁ、よかったな」 この日から俺は三枝と仲良くなっていった。 だがその日から、俺もクラスメイトの「悪ふざけ」のターゲットになっていた。  
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