孤独の寂しさ

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「ど、どうしても金が必要なんだ!!!!」 叫んでる俺が見える。 「何故だ?」 重く低い声の男が問う。 まだ中坊だった俺は、いつもソイツに怯えていたのかもしれない。 「と、友達が…」 「友達がどうした?」 理由はわからないが、その時の俺の声は震えていた。 「と、友達が不良に絡まれて…それで…明日までに10万持ってこいって言われてて…」 途切れてしまう俺の言葉。 男は何も言わない。 「だ、だから…10万…友達が…俺に………ほら、俺の家は金持ちだろ?」 我ながらアホらしい。 それを聞いて、すぐに男は口を開いた。 「ダメだ」 「な、なんでだよ!!友達は守ってやれって、俺に教えたのはアンタだろ!?」 「紅、お前は何もわかっちゃいない」 中学にあがったばかりの俺には、奴のセリフの意味が何も理解出来なかった。 「それが本当の友達か?」  
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