122人が本棚に入れています
本棚に追加
「ど、どうしても金が必要なんだ!!!!」
叫んでる俺が見える。
「何故だ?」
重く低い声の男が問う。
まだ中坊だった俺は、いつもソイツに怯えていたのかもしれない。
「と、友達が…」
「友達がどうした?」
理由はわからないが、その時の俺の声は震えていた。
「と、友達が不良に絡まれて…それで…明日までに10万持ってこいって言われてて…」
途切れてしまう俺の言葉。
男は何も言わない。
「だ、だから…10万…友達が…俺に………ほら、俺の家は金持ちだろ?」
我ながらアホらしい。
それを聞いて、すぐに男は口を開いた。
「ダメだ」
「な、なんでだよ!!友達は守ってやれって、俺に教えたのはアンタだろ!?」
「紅、お前は何もわかっちゃいない」
中学にあがったばかりの俺には、奴のセリフの意味が何も理解出来なかった。
「それが本当の友達か?」
最初のコメントを投稿しよう!