小さなどんちゃん騒ぎ

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5月22日 「紅クン、紅クン」 いつもよりちょっとテンションが高いハルが、寝ていた俺を揺り起こす。 「…ん?どうした?」 「野球、やりませんカ?」 「はい?」 いつのまにかグランドに連れてこられた俺。 見ると、グランドではあきらかに野球部ではない連中が練習している。 「おーい!!理樹くーん!!」 その中の一人に、ハルが声をかける。 息を切らしながら、バッターボックスに入っていた少年がコチラに向かってくる。 それと同時に、他のメンバーもやって来た。 「理樹くん、連れてきたよ」 「ありがとう、葉留佳さん」 理樹という少年が俺の目の前に立つ。 「初めまして、直枝です」 「ああ…ども、咲崎紅です」 久しぶりにハル以外の人と話したので、緊張してしまう。 「野球経験はある?」 「まぁ、そこそこ」 質問にこたえながら、メンバーを見渡す。 なんというか…すごいメンバーだ。 まさか男女混合とは…。 「ねぇ、恭介。経験があるならテストはいらないよね?」 理樹が恭介とやらに尋ねる。 俺は恭介と呼ばれた人物に目を向けた。  
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