小さなどんちゃん騒ぎ

11/14
前へ
/158ページ
次へ
5月24日 「ビクッ!!」 高い所から落ちる夢を見た。 よくあるよな? とりあえず、携帯を開いて時間を確認する。 六時半…。 学校には早いが、二度寝をするほど時間があるわけではない、微妙な時間だ。 「ついてねぇな…」 ぼっーとした頭を振る。 「…よぅし」 小毬受け売りのセリフを口にして動き出すことにした。 顔を洗い、髪を整え、制服に着替える。 それでもまだ七時。 しかたがないので、早めの朝食をとることにした。 早めの食堂はかなりすいている。 部活の朝練前の生徒くらいしかいない。 俺はA定食を買い、適当に空いている席に着く。 「いただきます、っと」 箸を手にとり、味噌汁をすする。 その時、不意に声をかけられた。 「ぐっもーにんです、コウさん」 俺と同じA定食をテーブルに置き、俺の隣の席に座る。 「おはよ、クド」 「今日はお早いですね」 「いやー、悪運にみまわれてね」 「悪運ですか!?朝からあんらっきぃですね。あっ、いただきます」 クドが自分の定食に手をつけはじめる。 「クドはいつもこの時間らしいけど、どして?」 「ただニュースを見るためだけですよ」 「ニュースねぇ…」 「ニュースはお嫌いですか?」 「最近のニュースがちょっとね…」 食堂のテレビでは、世界をまたにかける大企業社長の話題。 社長がおもい病気で、次期社長が誰なのかで騒がれている。 「どうなるんでしょうね。………コウさん?」 テレビを見つめる俺の顔が険しくなったのに心配して、クドが声をかけてくれた。 「ごめん、ニュースの話はやめよう」  
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加