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でも何故俺は「あの人」に会いに行きたいのだろう?
一緒にお昼を食べようと思っていたのだが、それだけだろうか?
違う気がする。
今の俺にはわからない。
ただ、恭介は俺が「あの人」に会いに行くのを阻止したいことはわかる。
「考えはまとまったか?」
しばらく黙っていた恭介が口を開く。
「それじゃ、あとはお前次第だ。――――――――――『あの人』に会いに行くのか?それとも、ここで引き返すか?」
考える前から答えは決まっていた。
自分の声が出る。
「行くよ」
声には力が込もっていた。
恭介はと言うと―――
―――より一層哀しそうな表情を浮かべていた。
「………不正解だ」
えっ!?
「また、初めから、だ」
俺の意識は暗闇の中に堕ちていった。
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