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『空!サッカーしようぜ!』
太一が声をかけた。
あれから2週間、さすがの太一でもこの不穏な空気に気付いたようだった。
『なぁ、最近お前とヤマト変じゃねぇか?』
『…。』
『どっちも黙りかよ。』
太一はハァと溜め息をつきグラウンドへ行ってしまった。
『なんよ、空の奴!ヤマトもヤマトだぜ!』
太一が1人ボールを転がしていると、何やら話をしていると声がする。
話をしていたのはうちのクラスの女子。
『空と石田君心配だなぁ。』
『本当は石田君のこと好きなくせに、嫌いなんて言っちゃって。』
『しかも運悪く石田君に聞かれるなんて。』
太一は女の子達の会話に驚いた。
(えっ!?空、ヤマトのこと好きなのか!?)
そして太一は自分でもよくわからないがイライラしてきた。
(何だよ。空、ヤマトが好きなのか?くそっ…。)
放課後、空は太一を誘った。
『太一、たまには一緒帰ろ!』
ガタンッ!
太一は乱暴に椅子を入れカバンを肩にかける。
『俺用事あるから。ヤマトと帰れば。』
『…。』
そういい残すと太一はサッカーボールを片手に帰ってしまった。
空は立ち尽くした。
(何かわかんけどイライラする。)
太一はどうにもならない感情を抱えていた。
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