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「それで……親方は何って?」
三十階建てビルの屋上。
黄色い髪に小さなドクロの帽子を被った青年が訊いた。
年は二十代前半頃だろうか。
服装は、英語で言葉が書かれたTシャツに黒いベストを羽織り、青っぽいジーンズ姿。
茶色い瞳は、青い月を鮮やかに映していた。口元には、わずかに笑みが浮かんでいる。
「『おまえ達には、ほとほと愛想がつきた』って言葉から始まって、延々と一時間お説教。その後は、特別指令が出されたんだよ、黄涙(キルイ)ー」
燃え盛る炎のように紅いサラサラ髪を持つ少年が答えた。
こちらは小柄な体格で、歳は十代後半ほどに見える。
山吹色の大きな瞳は、黄涙というらしい青年を真っ直ぐに見つめ返している。右目のすぐ下にホクロがあった。
白いポロシャツに茶色いベスト、ラフなズボンというスタイルが、少年のあどけなさとミスマッチしている。
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