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オババ
「さてと………今日、お前達を召集したのは、他でもない………南の主である、しまとら達が何者かによって、襲われた事じゃ………」
みんなに緊張が走る。
すず
「ねぇ、オババ。師匠を襲ってあんな酷い事したの、一体誰なの?」
オババ
「………その犯人は、もうわかっておる………」
行人
「一体誰が…」
オババ
「恐らく、ツチグモの童子と姫じゃろ……」
すず
「くも?」
あやね
「童子と…」
まち
「姫…?」
オババ
「やはり、知らなかったか……」
そういうとオババは、一度立ち上がり、奥の方から、ひとつの巻物を持ってきた。
オババ
「まずは、魔化魍の説明から始めるとするか……」
そういうと、オババは巻物を広げ、行人達をもっと巻物に近づくように指示を出す。
行人達は、不思議そうな目でオババが広げた巻物に目を向ける。
オババ
「魔化魍とは、妖怪の名前をしていて、動物が見るも恐ろしい姿になったかのような、人などを喰らう恐ろしい化け物のことじゃ…」
すず
「人を……食べるの?」
オババ
「そうじゃ…しかも、魔化魍にはそれぞれ好みがあってな……人を喰らうにも女や子供が好物だったりと、食べる人間を選ぶんじゃよ……」
行人
「昔のUMAって訳か……」
オババ
「そして、魔化魍には、童子と姫という、魔化魍が作り出す人型の分身が、いわゆる餌の運び屋のような存在をしておる。この童子と姫は、二人組で行動して、魔化魍の餌となる、人などを運びこませるのじゃ……」
まち
「殺してまでも?……」
オババ
「そうじゃ……」
その場にいた、全員が黙り込んだ……
オババ
「普通、魔化魍は、自然現象で誕生するものなのじゃが、どうもこの藍蘭島では、自然現象ではないようなのじゃ……」
ちかげ
「どういう事ですか?」
オババ
「何か、この島に限って、あるはずのない、なんらかの邪気が絡んでおるのじゃ………」
ゆきの
「なんかの…」
りん
「邪気……」
辺りがシーンとなり、行人達は、絶望の底に叩き落とされたかのような、暗い表情になってしまった…………
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