解かされて封印

9/20

81人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
あやねの案内により、しまとらが休んでいる場所に着いた行人達。 行人 「ここって、洞窟?」 あやね 「さ、中に入って。」 洞窟の中は、意外にも明るく、所々に松明が燃えている。 あやねに誘導されると、行人達は、洞窟の奥で横たわる小さな影を見つけた。 すず 「師匠!」 行人 「あ、ちょっと、すず!」 すずは思わず、走り出した。 だが……… 横たわっている影が、ゆっくりと起き上がった。 その姿は、猫の形をしたミイラ男、そのものだった。 すず 「ふにゃーーっ!?」 行人 「だから、言ったのに…」 あやね 「相変わらずの、あほぶり……」 行人 「あやね、なんか違くない?」 すず 「ふにゃーっ!!お化け、怖いよー!!」 しまとら 「すず……自分の師匠を、お化け呼ばわりしないでくれない………?」 すず 「え?あ!………なんだ、師匠か…。もー!脅かさないでよー![★]」 しまとら 「いや~。ごめんごめん。全身包帯巻くはめになっちゃってさぁ…」 行人 「そんなに酷い怪我だったんですか!?」 しまとら 「おぅ、行人君。いつもすずのお世話になってるね~。」 行人 「前の話なんですけど…」 すず 「でも、師匠?誰が師匠やみんなをこんな目に合わしたの?」 しまとら 「………そこが問題なんだよ………」 行人、すず、あやね、美咲 「?」 しまとら 「まさか、あいつらが蘇るなんて………死者は出てなくとも、これは、大問題だよ………」 行人達は、いつになく真剣に話す、しまとらの様子が、気になって仕方がない。 まるで、何かを恐れているようで、南の主と有ろう者が、震えている。 その時だった。 まち 「あ、いたいた。」 行人 「あれ?まち、どうしたの?」 まち 「今すぐオババ様が、こいって。」 行人 「はぁ、何だか今日は、行ったりきたりだなぁ……」 こうして、行人達は、西の村にある、長老であるオババの家へと急いだ。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81人が本棚に入れています
本棚に追加