...声...

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「無理するなよ」  掛けられた声に、意識がピクリと反応する。  これは こうよう の こえ   甲洋の、声。  すまない。  声は出せないがそう思うと、相手が笑った気がした。 「いいってお礼なんか」  続いて声が掛かる。  気付くと、暗闇の中にいた。  気を抜けば意識までもが沈んでしまいそうな、深い闇。  何も見えない。  下手をすると、自分の存在さえも失ってしまう様で。
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